自然素材のリノベーション・松山市北条の古民家工事現場より
前回は仕上げで使われていた合板の天井、腰板、床板を解体撤去しました。建てられた当時の無垢板が見えてきたら、すっきり気分が上がってきました!笑 今回は床組とフローリング張りです。
|床をつくり替えるポイントは、レベル(水平)出し
床をすべて撤去すると土台に使っていた石と土が出てきました。まずは隠れていた柱脚部分や土台の状態を確認。腐ったりシロアリにやられているところはなかったのでホッとしました。
使われていた基礎の石は驚くほど数が少なく、大きさや形もバラバラです。土質も悪く、レベル(水平)がまったくそろっていないので、このままではレベルを合わせるのに手間と時間が取られそう。
レベル出しに無駄に時間を取られるよりも、土を入れてある程度レベルを揃えた方がいいと判断しました。 新築と違ってリフォームやリノベは、解体してみないと分からないことが多いので、その場その場で変更や判断が求められます。決断に何日もかけていたら現場がストップしてしまうので、素早い決断が必要になります。
今回の土入れは大工さんに相談され、私がその場でGOサインを出しました。改装・リフォームではこのように、状態を見て大工さんと相談し、または職人さんが相談してくれて、その場で工事内容を変更することもよくあります。
もともと4つしかなかった束石は撤去し、新しい束石を16個に増やしました。床を支える足が4倍になるわけですね。これだけの空間を4つの足だけで支えてたのが驚きですが!
大引きや根太も新しくなって、以前よりも安定した床組になりました。
|材木市場で材料をチェック、そしてフローリング張り
カタログから選ぶ既製品のフローリングであれば、注文すればいいだけなので簡単ですが、規格品ではない無垢材は、その時々で状態が違います。実際の材料を見たい!という私のわがままを聞き届けてくれた大工の村田さんと製材屋さんの坂本さんと一緒に材木市場に行ってきました。
荷をほどいて実際の床材の状態を確認します。杉のフローリングは、色味(赤身と白太)もそうですが、節があってもどの程度か、死に節や埋木が多すぎないかをチェック。 予算では節有の15mmでしたが、実際に見て私が選んだのは、節有・赤身・30mmを選びました(私の判断なので、施主には金額はそのままです)。
掘り出し物がないかな~、と物色しています^^
さて、現場に戻って作業開始。これはフローリングの下地の板です。フローリングの下地には合板が使われることは多いですが、私たちはいつも無垢の杉板を使っています。
下地板の上に空気層をつくり、その上に仕上げのフローリングを張っていきます。フローリングは30mmの厚さにグレードアップ。以前は薄い合板のフローリングでベコベコ状態でしたが、これでしっかりとしました。半世紀経ってもベコベコになることはないでしょう。
フローリング張りの難関部分は、敷居や壁との取り合いの納まり。ここでも村田さんの仕事の丁寧さが出ます。敷居にひと手間かけて加工してあるのが分かりますか?
フローリングの端面も本実加工して、敷居にはめ込むように納めます。
これでフローリングが浮いたり、空いたりすることがありません。見えないところも丁寧な仕事をしてくれる大工さん。
経営者目線だと、余計な手間かけるな(手間をかけると時間がかかり、その分もうけが少なくなる)という考え方が普通でしょうけど、私、こういうのを見ると幸せな気持ちになっちゃいます。
合板だったフローリング板が、杉の無垢板になり、古民家らしさが戻ってきました。 次回は腰壁と間仕切り壁づくりです。
Comentários